子宮頸癌精密検査とは

子宮頸癌精密検査のイメージ画像

当院では子宮頸癌検診で「要精密検査」となった方への精密検査を行っております。

検診結果は郵送などで送られてくるため、不安な気持ちを抱えて精密検査に来られる方が多いです。しかし、子宮頸癌の要精密検査の結果の中には、最終的に癌と診断がつくこともありますが、「異形成」といって前癌段階であることがほとんどです。
まず検診結果をもとに今どのような状況が疑わるのか、どのような検査が必要なのかを説明致します。

以下に代表的な2つの検査をお示しします。

HPV検査

HPV(ヒトパピローマウイルス)は子宮頸癌発症の最大の危険因子です。
HPVに感染後、数年から数十年排除されずに持続することが子宮頸癌の発症につながると言われています。
保険適応のHPV検査は二種類あり、子宮頸癌検診でASC-USの方に行う高リスクHPVの有無のみを調べる検査と、子宮頸部組織診で軽度・中等度異形成の結果の方に行うより詳しくHPV型判定を行う検査があります。
結果により追加検査や治療の必要性などを判断します。

また、自費にはなりますが、子宮頸癌検診の際に自費で高リスク型のHPVを検出する検査を併用し、診断精度を上げることも可能です。
一回の検体採取で行うことができますので、30歳代以上の方には特にお勧めです。(20代の女性ではHPVが感染してもほとんどが自然消失してしまうため、併用は推奨されていません)。

コルポスコピー

コルポスコピーは、コルポスコープ(腟拡大鏡)と呼ばれる専用の医療器具を使用し、子宮頸部の状態を調べる検査です。
子宮の入口付近を詳細に観察することにより、子宮頸部病変の程度と広がりを把握し、必要に応じて生検(病変部の一部を切り取って顕微鏡などで調べる検査)を行い診断をつけます。
(妊娠中など出血が懸念される場合はコルポスコープによる観察にとどめることもあります。)

コルポスコピー検査でわかる主な病変

  • 子宮頸部が白くまだら状になっている
  • 粘膜にびらんがみられる
  • 赤い斑点が出現している
  • 通常とは異なる線がある
  • 粘膜の状態が異なっている
  • 腫瘍状の異変が起こっている

など

コルポスコピーの注意点

コルポスコピー下での生検は基本的に強い痛みなどは伴いませんが、若年の方や、お産の経験がない方は内診自体に痛みを感じることもあります。
当院ではお声掛けをしながら検査を致しますので、遠慮なくおっしゃって下さい。

また、生検後は出血や感染が起こることがありますので、止血剤を塗布した上でタンポンを膣内に一つおいれします。
小さいものですので3時間程度で自己抜去していただきますが、その後月経を超えるような出血が継続する際はクリニックへご連絡下さい。(夜間休日は#7119横浜市救急医療情報センターへのお問いあわせをお願いしております。)
通常でも数日は少量出血はありますが、自然と収まりますので出血が多くなければ経過を見ていただいて結構です。
ごく稀ではありますが、下腹部痛や発熱など感染が疑われるようでしたらご連絡を下さい。
入浴に関しては、検査当日はシャワーのみとし、その後は出血の状況を見て決めます。
出血が少なければ翌日から入浴できます。
なお、性交渉によって検査部位が刺激され、再び出血してしまうことがありますので数日はお控え頂いたほうがよいかと思います。