月経困難症

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月経困難症は、月経期間中に起こる病的な症状です。腹痛や腰痛、悪心、嘔吐、ふらつき、頭痛、頭重感、食欲不振などが出現し、日常生活に支障をきたすようになります。
症状の強さに個人差がありますが、学校や仕事に行くのもつらい、起きていられずに寝込んでしまうなど、日常生活に支障が出るようなときは婦人科をご受診ください。

月経困難症の治療は大きくは鎮痛薬・漢方・ホルモン剤に分けられます。
器質的な異常(子宮筋腫や子宮内膜症などの病気)がないかどうかを診察した上で、症状の強さやご年齢、お子さんが欲しいかどうかによって治療方針を決めていきます。

月経前の不調(PMS,PMDD)

月経前になるとイライラする、気分が沈む、からだの具合が悪くなるといった症状が見られる病気を「月経前症候群(PMS)」と呼んでいます。
つらい症状は月経の数日~2週間前頃から始まり、月経が始まると治まるのが典型的です。

「月経前不快気分障害(PMDD)」は、PMSのなかでもとりわけ精神的不調の程度が重く、日常生活に支障をきたす病気です。
月経困難症と同様、個人差が大きいため治療介入が必要かどうかは日常生活に支障がでているかによります。治療は漢方やホルモン剤、状況に応じて抗うつ薬や抗不安薬を併用します。

生理は毎月のことですし、相談や診察だけでも結構ですのでお気軽にご相談下さい。

月経周期の異常

月経周期の異常(月経不順)

正常な月経周期は25日~38日まで幅がありますので、この範囲で定期的に月経が来ているならば月経周期の異常とはなりません。
前月27日目にあるけれど、今月はやや遅れて35日型になったというような場合も一般的には正常だと考えられます。
しかし、いつも40~50日と月経間隔が長い場合(稀発月経)、あるいは20日ごとに月経がある(頻発月経)というようなケースは病的と考えます。
いずれの場合も排卵障害やホルモン異常がある場合がありますので、まずは診察を受け適切な治療を行うことをおすすめ致します。

無月経

無月経は、90日以上にわたって月経が来ない状態です。
ご承知の通り、妊娠しているケースも考えられますが、無排卵周期や早い閉経状態となってしまっていることもありますので、無月経が3ヶ月以上続いている方は、早めに受診するようにして下さい。

経血量・月経期間の異常(過多月経/過少月経)

実際に月経量を測る機会ははありませんが、経血量が多くなると「日中でも夜用のナプキンを1-2時間で交換しなければならない」や「健康診断で貧血を指摘された」などが見られるようになります。
反対に少ない場合は「出血しても拭くと付く程度で2-3日で止血してしまう」などを患者さんから伺います。

過多月経の原因としては、子宮筋腫・腺筋症・内膜ポリープなど腫瘍性の病変、血液の凝固障害、ホルモン異常などがあります。
多くはホルモン治療(ピルやミレーナなど)と鉄分の補充となりますが、それぞれの疾患やご年齢、生活背景に合わせて治療方針を決めていきます。

過少月経の原因としては排卵障害や閉経移行期が多いため、ホルモン状態などを確認してホルモン治療を行うか検討をします。